8月〜12月の音樂夜噺

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第39夜:'09年8月29日(土)

アルゼンチンから世界へ!
〜グスタボ・サンタオラージャで読み解くポップ・ミュージック〜
論 者:栗本 斉 (音楽ライター)
聞き手:佐藤由美 (音楽ライター)
ラテン・ポップ・カルチャーの最先端にこの男の影あり!アルゼンチンを代表する音楽家、グスタボ・サンタオラージャ。60年代末にアルコ・イリスでデビュー、アルゼンチン・ロック黎明期を築き、敏腕プロデューサーとしてメキシコを中心とした“ロック・エン・エスパニョール”ムーヴメントを巻き起こし、バホフォンドを率いて世界中をタンゴ・エレクトロニカで踊らせる。グラミー賞では飽きたらず、映画音楽作家とて2年連続オスカー獲得という快挙をものにした。「ピアソラを超えた」とも言われる鬼才の40年に渡るキャリアを紐解きながら、ラテンの切り口から見たもうひとつのポップ・ミュージック史を俯瞰する。

第40夜:'09年9月26日(土)

アジアの歌姫たちにぞっこん!
論 者:高橋 修 (「ミュージックマガジン」編集長)
聞き手:原田尊志 (エルスール・レコーズ店主、音楽ライター) <<

第41夜:'09年10月24日(土)

アンダーグラウンド』から『アルコール』まで
〜バルカンの寵児、ゴラン・ブレゴビッチの描いた世界
論 者:関口義人 (『音楽夜噺』主宰)
聞き手:松山晋也 (音楽評論家)
激動の20世紀をヨーロッパの裏庭”バルカン”から見つめつつ濃厚で毒気を帯びた音楽によって現実と幻想のバルカンを表現してきた才人ゴラン・ブレゴビッチ。ロックのカリスマとしてのその初期の活動からクストリッツァ監督との一連の映画音楽、そして汎バルカン的な広がりを感じさせる多様なミュージシャンたちとのコラボレーション。ユーゴスラヴィアの民族的背景とジプシーブラスを取り入れ、大胆に繊細に描き出されるブレゴビッチの世界を余す所なくお話ししたいと思います。

第42夜:'09年11月28日(土)

ブリティシュ・トラッドの歴史と多彩な魅力からケルト音楽との関わりまで
論 者:白石和良 (ブリティッシュ・トラッド&フォーク研究家)
聞き手:野崎洋子 (ミュージック・プラント主宰)
ブリティシュ・トラッドとはBRITISH FOLK MUSICの事で英国諸島に伝わる伝統音楽を現代的に演じた音楽です。1950年代からのフォーク・リバイバルによって大きな興隆を見せたこの音楽は、幾多の個性的な歌手、ギタリストやグループを生み出して世界的に知られるようになり、ヨーロッパ大陸などのフォーク・ミュージックにも大きな影響を与えてきました。また近年では特に若手の女性歌手達の活躍で再び活況を呈しています。今回は、アイリッシュなどのケルティック・ミュージックとの接点にも焦点を当てながら、CD化されていない貴重な音源も使って、過去から今日までのブリティシュ・トラッドの多彩な魅力を聴いていきたいと思います。

第43夜:'09年12月19日(土)

アストル・ピアソラと女たち
論 者:斎藤充正 (『アストル・ピアソラ、闘うタンゴ』著者)
聞き手:花田勝暁 (元「ラティーナ」編集者、東京外国語大学大学院)
アストル・ピアソラ唯一の回顧録および関係者の証言と評伝から成るナタリオ・ゴリン著『ピアソラ 自身を語る』からは20世紀屈指のこの音楽家の周囲にいたさまざまな女性の存在が浮き彫りになります。最初の妻デデ・ウォルフ、生涯の師ナディア・ブーランジェ、娘ディアナ、そして歌手エグレ・マルティンアメリータ・バルタール、ミルヴァ。彼女らとの数々のコラボレーションを音で辿りながら著書の翻訳者である斎藤充正さんがピアソラの秘められたエピソードを紹介して下さいます。